利用者・家族からのハラスメント

弁護士・税理士 岩本尚光|介護・障害福祉事業者の法務と税務を一つの窓口で

利用者・家族からのハラスメント

利用者やご家族からの暴言、暴力、過大な要求、セクシュアルハラスメントは、職員の離職と事業の継続に直結します。厚生労働省の「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」の考え方をもとに、苦情との線引き、記録、窓口の一本化、職員の安全配慮、契約解除を検討する場合の手順を弁護士の立場から整理しました。

事業者の初回相談60分無料(2回目以降は有料) 苦情とハラスメントの線引き 契約解除までの手順 労務の相談も同じ窓口で

Worriesこんな疑問に答えます

どこからがハラスメントなのか

要求の内容や手段が社会通念を超え、職員の就業環境を害するものです。不満や要望そのものは苦情として受け止めます。

職員を守るために何をするのか

事業者には職員への安全配慮義務があります。報告の仕組み、担当の変更、複数人での対応、方針の明示が出発点です。

家族への対応を誰がするのか

窓口を管理者など一人に決め、職員が個別に対応しない形にします。やりとりは記録に残します。

契約を終わらせてよいのか

運営基準の正当な理由に当たるかを、記録と手順をもとに検討します。他の事業者の紹介まで含めて進めます。

Basicsマニュアルの考え方と事業所の備え

ハラスメントと苦情の線引き

厚生労働省のマニュアルは、身体的暴力、精神的暴力、セクシュアルハラスメントを例に挙げています。認知症の症状による行動は別に考え、ケアの方法の見直しで対応することが一般的です。

方針の明示と契約書

ハラスメントに対する事業所の方針を重要事項説明書や契約書に書き、契約時に説明します。あとで対応する際の根拠になります。

記録の残し方

日時、場所、相手、言動、職員の対応、職員の状態を、その日のうちに事実として書きます。録音や写真の扱いは、事前にルールを決めておきます。

窓口の一本化と情報共有

ご家族への対応は管理者が窓口になり、職員は記録と報告に専念します。ケアマネジャーや市町村の担当者と情報を共有し、事業所だけで抱えないようにします。

Flow契約解除を検討する場合の手順

  1. 記録と事業所内の共有

    事実の記録を集め、管理者が状況を把握します。職員の安全を優先し、担当の変更や複数人での対応を先に行います。

  2. 文書での申入れ

    問題となる言動と、改善を求める内容を文書で伝えます。口頭だけでは、あとで言った言わないになります。

  3. ケアマネジャー・市町村との相談

    状況を共有し、ケアの方法の見直しや他の事業者への引継ぎの可能性を相談します。

  4. 解除の通知と他事業者の紹介

    改善がない場合、契約書の条項にしたがって解除を通知し、他の事業者を紹介します。運営基準では正当な理由が要るため、ここまでの経過を記録で示せるようにします。

  5. 警察・弁護士への相談

    暴力や脅迫があれば警察に相談します。損害賠償や差止めを検討する場面では、弁護士が事業者の側で対応します。

Work弁護士・税理士がすること

  • ハラスメントか苦情かの線引きの検討と、記録様式・報告の仕組みづくり
  • 重要事項説明書・契約書へのハラスメント対応方針の記載と点検
  • ご家族への申入れ文書の作成、話し合いへの同席、窓口の代理
  • 契約解除の可否の検討、解除通知の作成、他事業者への引継ぎの整理
  • 警察への相談、損害賠償請求や差止めが必要な場合の対応
  • 職員の安全配慮義務や労災が問題になる場面での労務対応

Fee費用

  • 事業者の初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。
  • 弁護士と税理士を兼ねる一人が、法務と税務を一つの窓口で扱います。

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Caseよくある事例

訪問介護で家族から執拗な要求と暴言が続き、職員が退職を申し出た

静岡市内の訪問介護事業所で、利用者のご家族から契約外のサービスの要求と、職員への暴言が繰り返され、担当職員が退職を申し出たとご相談を受けました。まず記録を日付ごとに整理し、窓口を管理者に一本化。ケアマネジャーと市の担当者に状況を共有したうえで、改善を求める文書を弁護士名で送りました。改善が見られなかったため、契約書の条項にしたがって解除を通知し、引継ぎ先の事業者を紹介して終了しました。あわせて重要事項説明書にハラスメントへの対応方針を加えました。
※よくあるご相談をもとに構成したもので、特定の実際の事件ではありません。

FAQよくある質問

苦情とハラスメントは、どこで分けますか
サービスへの不満や改善の要望は苦情で、丁寧に受け止めて対応します。要求の内容や手段が社会通念を超え、職員の就業環境を害するものがハラスメントです。厚生労働省のマニュアルは、身体的・精神的な暴力とセクシュアルハラスメントを例に挙げています。線引きに迷う事案は、記録を残したうえで管理者と相談して判断します。
職員が我慢してしまい、報告が上がってきません
報告しやすい仕組みが先です。報告しても不利にならないこと、一人で抱えなくてよいことを明示し、記録の様式を簡単にします。事業者には職員に対する安全配慮義務があり、知らなかったでは済まないことがあります。
訪問介護で一人の職員が対応しているときはどうしますか
危険を感じたら中断して退出してよいというルールを先に決めておきます。複数人での訪問や担当の変更、サービス提供責任者の同行も選択肢です。ケアマネジャーや市町村と情報を共有し、事業所だけで抱えないようにします。
契約を解除できますか
運営基準では、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならないとされています。ハラスメントが続き、改善を求めても止まらない場合は正当な理由になり得ますが、記録、文書での申入れ、改善の機会、ケアマネジャーや市町村との相談、他の事業者の紹介といった手順を踏むことが一般的です。
警察に相談してもよいのでしょうか
暴力や脅迫、器物の損壊があれば相談してよい場面です。その前に、事業所内で事実を記録し、管理者が状況を把握しておきます。相談したことをご家族にどう伝えるかも、事前に考えておきます。
事業主にカスタマーハラスメント対策が義務づけられると聞きました
労働施策総合推進法の2025年改正で、利用者・顧客からのハラスメントについて事業主が措置を講じることが定められました。施行の時期や具体的な内容は公開前に確認が要ります。方針の明示、相談窓口、対応手順の整備を先に進めておくと、施行後の対応が楽になります。

職員から報告が上がった時点でご相談ください

記録、契約書、重要事項説明書をお手元に。苦情として対応するか、ハラスメントとして線を引くかを、その場で一緒に整理します。事業者の初回相談は60分無料です(2回目以降は30分5,500円・税込)。

事業者の初回相談は60分無料(2回目以降は30分5,500円・税込)。顧問契約を前提にしない相談でも構いません。事務所:静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)。ご相談は予約制で、来所・オンライン(Zoom)・電話のどれでも。夜間・土日の予約もできます。

このサイトの内容は、2026年11月時点の一般的な情報です。結果は個々の事情によって異なり、特定の結果をお約束するものではありません。法令や運用は変わることがあります。
弁護士・税理士 岩本尚光(弁護士法人HOPE法律事務所/静岡県弁護士会/税理士登録)|事務所:〒420-0858 静岡県静岡市葵区伝馬町9-7 塚本ビル5階A(JR静岡駅から徒歩約5分)|対応:静岡県内の介護・障害福祉事業者を中心に、オンラインで全国